ボイストレーニングって聴くと、「歌のレッスン」とイメージされる方が多いかもしれません。
かつて私もそうでした。
3人の出産経験、育児経験(真っ最中)、ボイストレーナー、リトミック講師として動いていく中で、声そのもについて興味を持ち、その重要性に気付くことができました。
ある日、長男2歳の頃、いつものようにママチャリに乗せて移動していた時です。
天井の高い建物を通過する際に、
「ママ!見て!声が飛んでいった!」
と言ってきました。
その表現にびっくりした私は、自転車を止めて、しばし「あ〜」と声を出して遊んだのを覚えています。
長男は声を「言葉」ではなく「音」として捉え、天井の高い響く建物の中のあのなんとも言えない音の感覚を「声が飛んでいった」と表現したのです。
その後、声を学んでいく中で、子供達との会話に変化も現れました。
可愛い声だね
変な声だね
優しい声だね
あの子はこんな声なんだよ〜
声を元に会話が弾むようになりました。
音楽一家、飲食店の一家、大工さん一家!など、育つ環境はもちろんあります。
ただ、「声」は特別なものではない。誰もが持っているものです。
この頃から私自身、育児の中で、叱る時、褒める時など、どの声を使おうかな?と意識するようになりました。
(もちろん、そんな余裕無い時も多々です!)
子供達は面白いほどに声(音)で動きます。
本気の音か、繕った音が肌で感じているのがわかります。
特に声を学んでいく中で、マタニティ期は、いつも一番近くで鳴っている音が、ママの心臓の音、血流の音、ママの声です。
24時間、ずっと聴こえてくるママの声。
その声が心地良い音であることは、何よりも最高の胎教だということに気づきました。
胎教に良いと言われている音楽も、ママがリラックスできない音楽ならば、私はお勧めはしていません。
出産後も、毎日ずっとずっと一番近くで鳴っているママやパパの声(音)が、健やかであること。
歌が上手く歌えるようになる前に、健やかな心地よい音が出せているだろうか?
私はそんな良い声出せない!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「良い声」というのは、あなたがすでに持っているもなのです。
その正しい出し方を知らないだけ。
子供達は声(音)の出し方も、近くにいる大人から学んでいます。
周りを見渡してみても、ママやパパのお話しの仕方、発声の仕方にそっくりなことは多いですよね。
音楽療法があるように、私たちの音からうける影響は計り知れません。
レッスンでは、自分の声でたくさん声を出したり、お話しをしていきます。
自分の意見を大切にし伝えたいことがきちんと相手に伝わるようになり、大きな自信となります。
だんだんとお友達の声にも耳を傾けることができるようになります。
声を聴くだけで、元気がないな、とか嬉しそうだな、なんて感じ取れる聴力も身につきます。
数十年後、大人になる子供達が自分を大切に、そして周りの人々を大切にすることができたら、それはきっととても幸せな世界です。
ママパパ、おじいちゃんおばあちゃん、そして子供達、お腹の赤ちゃんまで!
どうぞ、ご家族みなさんで声の学校にいらしてください。
そして、すでにあなたが持っているその豊な声を一緒に響かせ、生き生きとした毎日を過ごしていきましょう。